第三者行為事故の賠償金を受けると障害年金はどうなる?|社会保険労務士事務所 ほほえみ障害年金Labo
2021/06/27
第三者行為事故とは?
「第三者行為事故」とは、障害年金を受給する原因となった傷病が第三者の行為などによって 生じたものであり、障害年金の受給権者に対して、第三者が損害賠償の義務を有しているものをいいます。
具体的には、交通事故や労災事故などのケースが「第三者行為事故」として取り扱われます。
第三者行為事故による賠償金と障害年金との調整
障害年金を受給する原因となった傷病が、交通事故や労災事故などの第三者の行為により発生し、損害賠償金を受けた場合には、障害年金と損害賠償金による二重保障を避ける為、その損害賠償金の金額を限度として、年金給付を行わないことができるよう規定されています。
具体的には、受給現社が第三者から受けた損害賠償金の金額の範囲内で、障害年金が支給停止されます。
障害年金が支給停止される期間は、最長で36月(平成27年9月30日以前に発生した第三者行為事故については24月)とされています。
しかし、障害年金の受給権を得られるのは、原則として初診日から1年6ヶ月後からとなる為、実際は支給停止期間が最長で18月になるケースがほとんどです。
注意点としては、損害賠償金の全てが障害年金との調整の対象となる訳ではないという点です。
支給調整の対象となるのは、障害年金と同じ性質を持っている生活保障費(逸失利益)相当額のみである為、慰謝料や医療費などは調整の対象外です。
第三者行為事故による障害年金申請時に提出が必要な書類
第三者行為事故による障害年金を申請する場合、通常の提出書類とは別に、必要となる書類がいくつかあります。
1.第三者事故状況届
事故の相手方の情報、具体的な事故の状況、損害賠償金の請求状況などを申告する書類です。
2.確認書
損害賠償金を受けた場合に、障害年金が支給停止になる旨、遅滞なく届け出る旨を確認したことについての確認書です。
3.同意書
年金機構が、事故の相手方、損害保険会社、事業主、弁護士などへ損害賠償金に関する障害を行うことについての同意書です。
4.交通事故証明書 ※交通事故の場合
交通事故証明書は、事故が起きた事実を証明する書類で、事故発生の日時、場所、当事者の氏名などが記載されており、警察に届出を行ったあとに申請すると、各都道府県の交通安全運転センターで発行を受けることができます。
5.示談書のコピー ※示談が成立している場合
示談書は、事故の事実と解決内容(示談内容)を記した書類で、示談が成立した場合に事故の両当事者が取り交わします。
6.損害賠償金の受領額が確認できる書類のコピー(内訳書がある場合は内訳書のコピーも添付) ※損害賠償金を受領している場合
保険金の支払通知など、損害賠償金の受領額がいくらなのかを確認できる書類です。
内訳書は、生活保障費(逸失利益)や医療費、慰謝料などの内訳がわかる書類です。
7.賠償金の内訳の基礎となる領収書のコピー ※ある場合
賠償金の内訳の基礎となる領収書のコピーがある場合は提出します。
8.扶養していたことがわかる書類 ※事故当時18歳以上の子および父母等の被扶養者がいる場合
源泉徴収票、健康保険証の写し、学生証の写しなど、扶養していたことがわかる書類です。