障害年金と傷病手当金は同時にもらえるの?|社会保険労務士事務所 ほほえみ障害年金Labo
2021/06/22
障害年金は、初診日から1年6か月経過後でないと申請ができない為、1年6か月間を限度として支給される健康保険の傷病手当金とは、基本的には受給時期が重ならないように制度設計されています。
しかし、「初診日から1年6か月経過前に障害認定日が到来するようなケース」や「初診日時点ではまだ症状が軽くて仕事を休んでいなかったケース」などでは、障害年金との受給時期が重なることがあります。
このような場合、障害年金と傷病手当金は同時に受給できるのでしょうか?
障害年金と傷病手当金との調整
障害厚生年金の原因傷病と同一の傷病によって、健康保険の傷病手当金も受給できる場合は、障害年金が優先的に支給され、傷病手当金は支給停止されます。
ただし、障害厚生年金(障害基礎年金も同時に受給できる場合は、障害基礎年金を含む)の年額を360で割った金額が、傷病手当金の金額より少ない場合は、傷病手当金はその差額分のみ支給されます。
障害厚生年金を遡って受給できる期間に、傷病手当金の受給期間があれば、本来は支給停止されているはずであった分の傷病手当金を保険者である健康保険組合や協会けんぽに返還する必要があります。
一般的には、先に健康保険の傷病手当金を受給していることがほとんどである為、傷病手当金を後から返還するケースは多くあります。
傷病手当金の返還請求の通知はは忘れた頃に来る為、注意が必要です。
ちなみに、初診日時点では国民年金の被保険者であったり、20歳前であったりして、障害基礎年金のみしか受給していない場合は、原因傷病が傷病手当金と同一であっても支給調整されません。
また、支給調整の対象となるのは、原因傷病が同一である時だけなので、傷病手当金の原因傷病が「うつ病」で、障害厚生年金の原因傷病が「がん」であるケースのように、原因傷病が異なる時も支給調整は行われません。